2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

愛のおすそわけ〜「アンの愛の手紙」を読みました。

モンゴメリ 中村佐喜子訳 角川文庫 異性(ま、ほとんどは)に対する愛を恋愛といい、母親の子どもに対する愛を母性愛といい、友人に対する愛を友情と呼ぶ。 呼びかたはいろいろあるが、本質においては同じものではないかと思う。 愛・・・つまり相手を思い、…

キツネの騎士道〜「動物に愛はあるかⅠ」を読みました。

モーリス・バートン 垂水雄二☆訳 早川書房 ビルの出入口などの公共の場所で、男性が女性のためにドアを開け、支えてあげるという行動例は、最近日本でも観察される。見た事あるだろうか。あるいは、そういった行動をしているだろうか。(女性の側も軽く礼を…

忠犬物語・・・〜「動物に愛はあるかⅠ」を読みました。

モーリス・バートン 垂水雄二☆訳 早川書房 日本語のののしり言葉で、「ちくしょう」というのがある。 英語の「F○CK YOU」に相当する。 漢字で書くと、「畜生」、これは動物という意味である。 どうも、日本人の考え方の奥深くには、「人間は動物より優れてい…

三国志あれこれ〜「原典を味わう三国志物語」を読みました。

今西凱夫 日本放送出版協会 ところで、中国語はおできになるだろうか。 世界で一番話す人が多い言語である。華僑は世界中にいるからどこに行っても中国系の人となら言葉に困らない・・・北京語だけではなく福建語なども学ぶ必要はあるが。 何よりフランス語…

自然の「法」に従う〜「諸葛孔明」を読みました。

植村清二 中公文庫 以前映画「レッドクリフ」を見たと書いたが、先日、一足先に試写会で「レッドクリフPART2」も見てきた。 よかった〜〜。「もう1人でも、80万の曹操軍と戦うぞ!」という感じがフツフツと沸いてきて、勇気をもらった。敵がいかに巨大だ…

会議は殺す〜「死の会議録」を読みました。

パトリシア・モイーズ 大橋吉之輔訳 ハヤカワ・ポケットミステリ ヘンリ・ティベット主任警部シリーズ。 会社などでもある程度偉くなると海外出張があると聞いているが、警察組織でも同じ事。犯罪もインターナショナルな時代はとっくに来ているから、警察も…

刑事とドロボウの走馬灯〜「魔術」を読みました

エド・マクベイン 井上一夫 訳 ハヤカワ文庫 「トリック」というTVドラマがあったのを覚えておられるだろうか。 虫は全部ではないが、何回か見た。(けっこう面白かった)ま、これは関係ないが・・・。 そのドラマとこの本の共通項は「trick」である。この本…

子供たちの夢〜「炉辺荘のアン 第七赤毛のアン 」を読みました。

モンゴメリ 村岡花子 訳 新潮社 かなり前のことだが、交差点で信号待ちをしていた。虫は急いでいたので、なかなか青にならないので、いらいらしていた。 すると虫の前にいた、小学校低学年ぐらいの自転車にのった男の子は、もっと急いでいた様子で、自転車の…

Say Yes to NO!〜「NOでアンチエイジング」を読みました。

ノーベル医学・生理学賞受賞者 ルイス・J・イグナロ 日経BP企画 桜の花が咲いている・・・まだ寒いけどもう春なんだなぁと感じる今日このごろである。 さて・・・ 「赤ワインが身体にいい」「ニンニクが身体にいい」「大豆が身体にいい」 「抗酸化物質を…

1円でいいので・・・〜「『勉強したくない』を活用する逆転発想勉強術」を読みました。

精神科医 ゆうきゆう 著 スリーエーネットワーク 街なかで寄付を頼まれたとする。どちらの方がより多額の寄付が集まると思われるか。 A「寄付をお願いします。」といわれたときと、B「1円でいいので、寄付をお願いします。」と言われた時・・・ この心理…

喜ばせる喜び〜「ネコがよろこぶゴロゴロのツボ」を読みました。

作・絵 マーガレット・ウッドハウス 訳 坂本美雨 実業之日本社 ところで、猫はお好きだろうか? 猫って、毛並みがフワフワしているし、気品はあるし、仕草の一つ一つが可愛い。生き物は皆そうなのかもしれないが、実に完璧な生き物という感じがする。 犬も可…

罪と罰の禁止〜「『勉強したくない』を活用する逆転発想勉強術」を読みました。

精神科医 ゆうきゆう 著 スリーエーネットワーク 「自分を追い込む」のが得意だろうか。 虫のように、遊んだ後、よ〜し。罰として校庭三周!・・じゃなくて、参考書全部!とか思ってただろうか。 それで結局できずに、またまた、遊んでたり・・・ ユウ君も、…

やる気のエンジンを始動させる〜「『勉強したくない』を活用する逆転発想勉強術」を読みました。

精神科医 ゆうきゆう 著 スリーエーネットワーク あーあ、勉強(とか仕事とか家事とか運動とか)しなきゃいけないんだけど・・・と思いながら、面白いTV番組を見たり、本やマンガを読んだり、ゲームをしてしまったり、ネットサーフィンとかしたことってあ…

日本にならってリッチな国になる方法〜「世界の日本人ジョーク集」を読みました。

早坂隆 中公新書ラクレ お気に入りメモ。日本人じゃないけど、日本が登場するジョーク。 ロシア極東に位置する小さな自治共和国。主な産業もなく、経済は破綻し、人々の生活は困窮しきっていた。政府は連日、話し合いを重ねたが、やがて一つのすばらしい結論…

リアルドラゴン桜〜「脳を生かす!必勝の時間攻略法」を読みました

吉田たかよし 講談社現代新書 ドラゴン桜は、流行ったころでも読んでないけど、本のオビの文句をそのままいただいた。 世の中には「時間の節約術」というのがたくさん出回っている。 しかし、大切なのは、脳の有効利用であると、筆者はいう。脳の特質を生か…

読むと見るとじゃ大違い〜「若草物語」(上・下)を読みました。

オールコット・松本恵子訳 新潮文庫 もちろん、再読。なつかし〜い! 南北戦争に出征した従軍牧師の父親の留守宅を母親とお手伝いさんのハンナと守る4人姉妹の日常・・というあらすじは有名である。 ちょっと、教訓物語っぽい匂い、宗教的な匂いは感じるも…

大・爆・笑!〜「盲目の理髪師」を読みました。

ディクスン・カー 井上一夫=訳 創元推理文庫 今、虫は猛烈に反省している。 今までの日記を振り返ってである。 安易に「面白い」なんて言葉を使い、逆に読者に伝わらなくなってしまった。特にサイモン・ブレットの諸作品やクレイグ・ライスについてである。…

霊媒のカラクリと死〜「降霊会の怪事件」を読みました。

ピーター・ラヴゼイ 谷田貝常夫=訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 昨日と同じく、19世紀末を舞台とした、クリッブ部長刑事のシリーズである。助手のサッカレイ巡査も出ている。 さてと、降霊会、これは英米の推理小説を好んで読むひとだと、ある程度ご存知では…

死刑間近・・女性毒殺犯の冤罪調査〜「マダム・タッソーがお待ちかね」を読みました。

ピーター・ラヴゼイ 真野明裕=訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 現在のイギリスでは死刑は廃止されている。 この話の舞台は1888年。推理小説の歴史物である。ラヴゼイは、この年代を舞台としたクリッブ部長刑事のシリーズを書いており、これはその一つである…

人生は旅だ。よい旅を!〜「クールランニング物語  ジャマイカ・ボブスレーチームの軌跡」を読みました。

ネルソン・クリスチャン・ストークス(著) 有沢善樹(訳) NHK出版 We're coming in,coming in,coming in Coming in from the cold ジャマイカが生んだレゲエの巨匠、ボブ・マーリーの歌詞が冒頭にかかげられていた。 翻訳もあったけど、英語の歌詞の方…

人をモノあつかいにしない〜「結婚について」を読みました。

「ハーリール・ジブラーンの詩」より 神谷美恵子 角川文庫 このところ、レバノン生まれの詩人、カーリール・ジブラーンの詩の紹介が続いたが、今回で最後にする。最初はまとめて書いたのだが、量が多くなりすぎた。それで、詩の一編ごとに分けることにしたの…

痛みの意義〜「苦しみについて」を読みました。

「ハーリール・ジブラーンの詩」より 神谷美恵子 角川文庫 もしも、痛みがなければ、知らない間に右足がなくなっていたなんてこともありうる。痛みがあるからこそ、健康に生きることができ、注意すべき危ないところがわかるのだ。痛みがなければ、いつ死んだ…

大人になった子ども〜「子どもについて」を読みました。

「ハーリール・ジブラーン詩集」より 神谷美恵子 角川文庫 カーリール・ジブラーンの詩に出会ったのは、この詩が最初である。 アラビア語読みだとハーリールのようだが、とあるハウツー物の引用(著書はアメリカ人)で会い、英語読みのカーリールで覚えたの…

数のマジック!〜「暗算の達人  驚異の高速計算テクニック  」を読んでいます。

アーサー・ベンジャミン&マイケル・シャーマー(著) 岩谷 宏(訳) ソフトバンククリエイティヴ サーテ、お立会い! そこのアナタ!お好きな2桁の数字を言ってみて!なんでもいいよ!その数に11をかけた答えを即座にいいますからね! 「71、93、18?」 「…

善意の恐ろしさ〜「地獄の湖」を読みました。

「地獄への道は善意で敷き詰められている」ということわざが英語圏にある。 まったくその通り。善意の施しほど、おそろしいものはない。とくにこの話を読めば、善意の押し付けは、つるつる滑る氷の湖のようなものであり、地獄への道へ一直線だということがわ…

脳のトリセツ〜「脳が冴える15の習慣  記憶・集中・思考力を高める」を読みました。

築山 節 NHK出版 脳・・・この私達の頭蓋骨に入っている器官には常日頃お世話になっている。モノを見るのも、言葉を話すのも、本を読むのも、ごはんを食べるのも、歩くのも、走るのも、雑踏や、車の行き来が激しいところを歩いて無事帰れるのも・・・全て…

汚い商売、きれいな心〜「転倒」を読みました。

D・フランシス 菊池光 訳 ハヤカワ ポケミス そりゃ商売で利ざやをかせぐためなら、少々汚いことだってするかもしれない。 しかし、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の跋扈(ばっこ)する商売世界でも、このサラブレッドの仲買業者ぐらい汚いのも珍しいのではな…

あらためて紹介します。キンジー・ミルホーン!〜「裁きのJ」を読みました。

スー・グラフトン 嵯峨静江=訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 キンジー・ミルホーンシリーズ。 このシリーズは「アリバイのA」からはじまるから、A、B、C・・・なんと10冊目だ!もうそんなに?もちろん全部読んでいてこれも再読。どれも面白い。安心して読…

因果は廻る〜「追憶のファイル」を読みました。

ジャネット・ドーソン / 押田由起 訳 創元推理文庫 ジェリ・ハワードシリーズ。確かこれが一作目。 再読だけど、昨日の夜中に一気に読んでしまった。海外推理小説中毒から抜けられない・・・。 ジェリ・ハワードは、どちらかというと、地味な感じである。女…