2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

北朝鮮への関心をもとう〜「ある北朝鮮兵士の告白」を読みました。

韓景旭(かん けいきょく) 新潮新書 北朝鮮情勢が、緊迫している。 核実験を行ったり、ミサイルを何発も飛ばしたり・・・。 人間に例えると、自暴自棄になって、人質をとり、立てこもりをする犯人のようだ。以前の日記で紹介した、アベンジャー型の犯人のよ…

進取の気性〜「王女マメーリア」を読みました。(2)

ロアルド・ダール 田口俊樹 訳 ハヤカワ文庫 この本の順番とちょっと前後するが、先に「王女マメーリア」について、書いておく。 表題作である。 だいたい、短編集の中の表題作というのは中でも、とりわけ出来が良く、特に印象深い作品であることが多い。少…

色々な仕事があるものだ〜「王女マメーリア」を読みました。(1)

ロアルド・ダール 田口俊樹 訳 ハヤカワ文庫 ロアルド・ダールの短編集である。 子ども向けの本の「チャーリーとチョコレート工場」が、以前ジョニー・デップを迎えて映画化されたが、その原作者である。子供向けの作品ばかりでなく、大人向けのものも書いて…

得るために与える〜「あなたがあたえる 大富豪ビンダーの夢をかなえる5つの秘密」を読みました。

ボブ・バーグ+ジョン・デイヴィッド・マン 木村博江 訳 文芸春秋 営業・・・つまり、セールスの人というとどんなイメージをお持ちだろうか。 虫の独断と偏見でいうと、派手なスーツやアクセサリーを身につけ、女性だとメイクも濃く、欲望(とりわけ金銭欲)…

宇宙人と自分〜「なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか」を読みました。

スーザン・A・クランシー 林 雅代 (訳) 早川書房 かなり前のことだが・・・。 「宇宙人ていると思う?」 と友人に聞かれて、即座に、絶対的な自信を持って答えた。 「いる!」 「えー!絶対?絶対いる?」なんか嬉しそう。 「うん。絶対いる。」 「なんで…

光が濃いと闇も濃い〜「一瞬の光」を読みました。(2)

アーロン・エルキンズ 秋津知子訳 ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫 イタリアでのこと。ある女性が、食事のため、自分の小型車をレストランの前に駐車して、食事を食べていた。レストランの中から、ガラス張りの壁ごしに、彼女はとんでもないものを見てし…

アメリカ人から見たイタリアの魅力〜「一瞬の光」を読みました。(1)

アーロン・エルキンズ 秋津知子訳 ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫 先日、TVで「ダヴィンチ・コード」を見たが、ごらんになっただろうか。 これは本の感想で映画の感想ではないので、詳細は控えるが、最初に見た時は全くのお笑い種(ぐさ)だと思ったが…

プロローグ〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その8

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス ちょっと話を飛ばす。 よく、ビジネスのハウツーで、「仕事に燃え上がるような情熱を抱く」とか言う。 そりゃ〜持ちたいけど、持てないからこの本読んでるんでしょ。と心の中でツッコミ…

試練と変身〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その7

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス ま〜、続きといっても、大方の予想通り。 前回お姫様が、かべにむかって、上野投手よろしく(ただし野球のフォームで)カエルを投げつけた。 その後は、グリムの原作通りである。 壁に…

お姫様の寝室で(2)〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その6

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス 普通なら、寝室での描写がこれほど詳しいのはマレである。たいてい、最初のキスあたりでフェイドアウトし、安っぽいポルノ小説になることを避ける。 子ども向けのグリム童話ならなおさ…

お姫様の寝室で〜カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その5

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス さて・・・・ さて、お姫様の寝室で、二人(正確には1人と一匹)はベッドの上にすわっていた。 横並びに座っていて、二人ともみじめな気持ちだった。 二人とも・・・? 「あなたはわた…

約束を守ることの大切さ〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その4

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス 「そういうことをさせない?約束の中には、同じベッドで寝るというのもあっただろう?一旦した約束は、まもらなくてはならない。なんとしてもだ。」と王様。 「約束すべきだったかどう…

お城への旅〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その3

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス 前回は、金色の珠を取ってきてもらって、キスしたとこまでだった。 キスした後、5秒が過ぎた。 十秒。 何も起こらない。 そして、1分後。 一分後、姫君は身体を起こして座り、カエル…

森の中で〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その2

スティーヴン・ミッチェル(著) 安藤由紀子(訳) アーティストハウス 『古池や蛙(かはづ)飛び込む水の音』 日本人の8割方は知っているであろうと推測されるこの有名な俳句が、二人(正確には1人と一匹)の出会いの場面に引用されていたのには、ちょっ…

ユング心理学とタオ(道教)〜「カエルも愛せば王子になれる」を読みました。〜その1

スティーヴン・ミッチェル〔著〕 安藤由紀子〔訳〕 アーティストハウス この本をあえて分類すると、恋愛ハウツーだろうか。ハウツー本やビジネス書の中で、あえて、物語風に書くものがある。 以前、この日記で紹介した「グッドラック」などもそうだ。 これは…

ベストとワースト〜「俺たちには今日がある」を読みました。

トニー・ケンリック 上田公子 訳 角川文庫 久しぶりの更新で申し訳ない。本は読まなかったわけではないが、感想の文章化にまで手が回らなかった。カワウソに泳ぎを教えていたもので、忙しくてね。 今回は、トニー・ケンリック。 この話のあらすじを紹介して…

覚えない覚え方〜「世界最速『超』記憶法」を読みました。

コロンブス学院 津川博義 講談社+α新書 この本の冒頭に出てくる方法を紹介しよう。 薔薇という漢字の覚え方である。 どちらも草冠である。植物だから。 次に○をつける。「薔」の真ん中は土に人が二つ入っている。そこに丸をつける。 「薇」の方が比較的簡単…

自由、博愛、平等〜「フランス革命」を読みました。

T・C・W・ブラウニング 天野知恵子〔訳〕 岩波書店 1789年に、フランスで革命が起こった。フランス革命である。 マンガ「ヴェルサイユのばら」の舞台にもなったこの革命は日本でもよく知られている。 どうして、起こったのか。 この本によると、明治…