会議は殺す〜「死の会議録」を読みました。
パトリシア・モイーズ 大橋吉之輔訳 ハヤカワ・ポケットミステリ
ヘンリ・ティベット主任警部シリーズ。
会社などでもある程度偉くなると海外出張があると聞いているが、警察組織でも同じ事。犯罪もインターナショナルな時代はとっくに来ているから、警察も国際協力が必要である。でも仕事とはいえ、外国にいけるし、パーティが連ちゃんだし、楽しそう。いいなぁ。
スイスに行ったことはあるだろうか。アルプスの山々に囲まれた風光明媚な所である。絵葉書でみる限りは。行った事ないが、是非行ってみたい。
そのスイスのジュネーヴにて、国際麻薬会議がひらかれ、ヘンリ・ティベット主任警部も招待される。奥さんのエミーも、旅費を捻出して、一緒に来る。スイスのナイトライフやピクニックを満喫する二人。ただ、昼間はヘンリは眠い会議に閉じ込められ、エミーは遊んでいるが・・・。
ところが、会議の別の出席者から、会議の内容を犯罪組織に漏らしている者がいると聞かされる。その容疑者である通訳と話そうと思っていた矢先、その男が殺され、ヘンリはその容疑をかけられる。ついでに漏洩の容疑も。
これはどうしても犯人をあげなくてはならない。殺人ばかりでない。漏洩者はだれか?
ところで、ティベット主任警部は、イギリス人には珍しく、フランス語が堪能である。珍しいと思うのは、英語はたいていの国で通じるので、イギリス人やアメリカ人はあまり外国語を知らない人が多いと聞いていたからだ。
相手の言葉でしゃべれると、親しみやすさも全然違う。やはり、外国語は必要である。
今回ティベット主任警部は、探偵役というより、巻き込まれ型。捜査は非公式なものなので、証拠を発見しても戻しておいて、警察に発見させたり、被害者の部屋に忍び込んだり、(エミーも一緒である)基本は推理物だがスパイ物っぽい味付けである。なんか楽しい。最後は大富豪に南米に逃がしてあげるなんて言われたりして。
それでは。