バナナんバナナんバ〜ナ〜ナ♪〜「バナナ学入門」を読みました。
中村武久 丸善ライブラリー
果物のなかでも、バナナの腹持ちのよさは飛びぬけていると思う。
最近、朝食をバナナにする朝バナナダイエットなるものがあるが、これも、その腹持ちの良さに注目したものだろう。
本書は、バナナなど、熱帯性の植物に関心を持つ(但し、専門はバナナではなく、マングローヴ)植物学者によるバナナに関する本である。
ご存知の方も多いと思うが、日本に輸入されているバナナのほとんどは生食用バナナである。これとは別に料理用のバナナもある。料理用のバナナは貯蔵性があり、主食に適している。
食べる以外にも使われる。
沖縄の芭蕉布というのを聞いたことがあるだろうか。女性用の着物の生地としては、最高級の布地に属する美しい布である。確か、黄色っぽい。
この布がつくられるイトバショウもバナナの変種と考えられている。
また、バナナの葉には、防腐効果があるということである。
このバナナの起源は古い。
そもそも、火をおこすなどの技術を持っていなかったころの人類はバナナなどの果実を生食していたはずである。東南アジアの人々は腹持ちのよいバナナを好んで食べたと思われる。マレーシアなどの東南アジアが原産である。
それがインドに伝わる。
「バナナ」という言葉は、サンスクリッド語の「ベルナ・ブシャ」が、なまってヨーロッパに伝わったものである。
アレキサンダー大王がインド遠征の折に初めてバナナを知ったとか。
やがて、世界中の生育可能な熱帯・亜熱帯に広がったという。
デンプン質が高く、腹持ちの良いバナナは、子どもの成長やスポーツ選手の栄養補給に適している。カリウムが豊富なところが、細胞の浸透圧を高め、細胞への出入が活発になるところから筋肉の興奮性を高める。ひいては筋肉の瞬発力・持続力を強めるという。
スポーツ選手のメニューには欠かせないものとなっている。
食感がサツマイモに似ている料理用バナナは、広く主食として食べられている。その栄養についての研究は、先進国では食べられないことからほとんどすすんでいないという。
いずれにせよ、米や小麦のような他の穀物と違って、モノカルチャー(一種だけの栽培)ではないバナナは、他の作物との混作に適する。
食料問題解決の鍵となりそうなのが、バナナである。