よい会社の見分け方〜「スリッパの法則  プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方」を読みました。

              藤野英人             PHP文庫


 ところで、だめんずウォーカーという言葉がある。

 だめんず、つまりダメな男ばかりとつき合っている(結婚も含む)女性のことである。
 だめんずとは、酒や麻薬におぼれては女をなぐってたり、パチンコや競馬、競輪にはまって自由な金があると使ってしまったり、暴力をふるうようなヤツ、浮気を繰り返すヤツなどである。

 つき合っている間は、(最高の相手だと信じているので)気付かない。

 ある日、「もしかしてダメな男だったかも・・・」と思い、そのパターンに気付くと脱却の可能性ができる。

「アタシって男を見る目がないのかも・・・」


 
 虫は、恋愛ではなく、仕事にだめんずである・・・。

 ここ最近にそれぞれ1年ぐらい勤めた会社2社が、仲良くブラック企業のランキングにならんでいたのを見た時に思った。・・・たしかにすぐ決まって危ないかも・・・とはちらっと思ったのだが。

上のセリフを借りると、

「アタシって会社を見る目がないのかも・・・」


 ネットで確認すると、ブラック情報がうじゃうじゃ。この会社の方も削除請求とかしてるだろうから、ネットで出てくるぐらいだと相当危ないと思う。どちらも、ヤのつく自由業の関係者と黒い噂があった。
 虫の感想としては、どちらもブラック企業を呼ばれるだけのことはあったと思う。なんかいらない詮索したり、上司がワナかけて失敗をおっかぶせてきたりね。

ま、やめるとき気付いたんだが・・・orz。


 これは、投資する対象としての会社の目きき方法だが、就職やバイトだって、人生の一部を投資する以上、よく見なくては・・・。

 藤野氏はゴールドマン・サックスにて腕利きのファンド・マネージャーとして名をはせ、独立して資産運用会社を経営するプロである。

 人間と付き合う場合も、相手の身なりやしぐさなどをチェックしている・・はずである。無意識にでも。他に話し方や話しの内容など。けっこう、細かいところで人となりというのはわかるものだ。

 会社もこれと同様で、細かいチェックを積み重ねて、その会社の体質がわかる。

 数ある法則をご紹介しよう。一つだけではなく、総合的に見るのがコツである。

 会社を表す人といえばやはり社長である。社長がこんな場合は用心しよう。

 インタビューのほとんどが、過去の苦労話。自伝をプレゼントされた。(人間も会社も最盛期を過ぎたと思うと過去の美化につとめるものである)人の話をきかない。(成長なし!)業績不振を景気や政治のせいにする。(責任逃れにあけくれる人は、行動しない)社長室が豪華で、工場がオンボロ。(どっちが大事かわかってない)金ぴかの時計をしている。(飲み屋さんとか夜の世界でいい顔をするためだそうである・・・これで豪華そうな腕時計をしている人への見る目が変わった)性格がおおざっぱ。相手の肩書きで態度をコロコロ変える。

 こんなトコにも注意が必要である。

雪国などで、必要な場合は別だが、特に必要もないのに社内ではスリッパにはきかえさせる。(これは不合理な習慣を強制させるということ。会社を「家」と混同して、封建的な意識が抜け切れていない)豪華な新社屋を建てる。(業績または株価のピークを過ぎた、投資業界では昔から言われていることだそうである)ラジオ体操などの体操の強制。会議室の時計が5分以上狂っている。(気付かないのも問題だが、気付いていても直さないのはもっと問題)
受付嬢に極端に美人が多い。(公私混同の疑いアリ)会社の規模のわりには相談役が多い。トイレ、コピー機の周りが汚い。

 普通にネットで調べるのもいいしね。(社名 評判とかブラックとか)


 逆に良い会社というのは個性的で、ヴィジョンがしっかりしているし、社長も腰が低い。

 会社ってヒトなんだな・・・と思わせる一冊であった。