身体という宇宙〜「アーユルヴェーダの強壮学」を読みました。

           クリシュナ・U・K 著         H&I

 曲の題名で「GALAXY IS IN ONESELF」というのがある。*1

 GALAXYは銀河系。地球も含まれる太陽系などの星が集まって、渦のように回っている。その太陽系は太陽を中心に地球や火星といった星が回っている構造である。

 ひるがえって、人間の身体について考えてみると、人間の身体は細胞が皮膚や骨や内臓という様々なかたちになって構成されている。その細胞は、それぞれ原子で構成されている。原子は、原子核の回りを電子が回っているというまるで太陽系のような構造である。

 とすれば、銀河系もあるのかもしれない。最新の電子雲なども描く原子の構造図は銀河系を思わせる(wikiで見た)この類似性に思い至ると、実に深い曲名だな・・・と感心した。


 この曲名を思い出したのは、実に、アーユルヴェーダが、人体の構造を一つの宇宙ととらえているからだ。

 アーユルヴェーダは、インドの伝統的な医学である。虫は日本の漢方医学についてちょこっとよみかじったし、中国の伝統的な医学である中医学についての本はこの日記で紹介した。
 しかし、アーユルヴェーダについて本格的に読むのは(もちろんこれはわかりやすくかいてある一般向けの本だが)初めてである。中医学の陰陽五行説もすばらしいと思ったが、アーユルヴェーダが予想以上に緻密で理論的であり、説得力があるのに感心した。

改めて考えてみると、人間の身体というのは素晴らしい。

 第一に、常に血液が心臓というポンプで押し出され、身体中に栄養を行き渡らせている(循環機能)、常に呼吸によって外気を取り入れ、不要な空気を出している。(呼吸機能)そして、食べ物や飲み物からも栄養を取り入れ、不要物を、排泄している。アーユルヴェーダでは、これらを運動を引き起こす生命エネルギー「ワータ」としている。

 第二に、取り入れた栄養を熱のエネルギーが、身体に吸収しやすい栄養素に形を変え、体内に取り込みやすくしている。(代謝機能)アーユルヴェーダでは変化を引き起こす生命エネルギー「ピッタ」と呼ぶ。

 第三に、上の二つの動きと変化だけの働きだと、生命は秩序を保つことは出来ず、ばらばらに分解してしまう。そこで、一つの枠組みのなかで全て起こるように、結合、吸着する働きが必要となる。安定性を保ち、人体の形を保つ生命エネルギーを「カファ」と呼ぶ。

 区分はともかく、様々な働きが秩序と調和を保ち、はじめて、健康な身体を維持できることは確かである。アーユルヴェーダではこれらの生命エネルギーをドーシャと呼び、生命という小宇宙を構成すると考えられている。


 他にも体質による区分とか・・・これがまた細かい。


 〜した方がいいというのは、たくさんあるが、TV鑑賞やネットをしながらのごはんは止めた方がいい・・・というのは確かだと思う。食べるときは、食べることに集中したほうが消化にいい。これはあきらかだ。
 食べるときは、神々へのお供え物のように・・・。うん。

 自分の身体という宇宙へのお供え物なのだから。

 なお、お酒の飲み方やタバコの吸い方などもいろいろ書いてあったけど(油マッサージをして、若い異性に注がれるもがいいとか・・・)、やっぱり、気持ちよく、お供えものをするつもりで、飲んだり吸ったりするのが良いそうである。

 たった一度の人生、誰でもない自分自身の身体という宇宙・・・。その構造はまだまだわからないところが多い。
 なんだか、神秘を感じる。
 

 

 

*1:リディメイツの曲である