実は哲学かも?〜「紅茶を注文する方法」を読みました。
土屋賢二 文春文庫
ご存じ、ツチヤセンセイのエッセイ。
内容的にとりたてて新奇なものはない。くじを買い始めたんだ・・・程度。
というか、内容があまりないので。
どういっためぐり合わせか、いつものように不幸な目にあっている・・・。
でも、それほど不幸でもないんだよね。本人の書き方が面白いのでつい乗せられてしまうけど。
思うにこの方のエッセイは、内容ではない。書き方である。本人は謙遜して「大作家ではない」と書いているが、少なくとも、文章の技巧には独特の素晴らしいものがあると思う。
これは、ツチヤ先生の世界観、「何でも疑う」という哲学観を表しているのではなかろうか。
自分の真の姿を他人に知られたいと思う人間がいるだろうか。マトモな人間なら自分がマトモな人間でないことがわかっているはずだ。
このすばらしさ!
軽妙な文章の中に人生の矛盾と悲哀をたくみに表現している。
いや〜、このひと、軽く読めるわりには深いんじゃないかな・・・。
でも買わないけど。(これも図書館で、借りもせずに読んだだけ)