朝起きられないキミへ〜「見えない病気 低血圧 その診断と治療」を読みました。

                  医学博士 永田勝太郎    佐久書房

 

もしかして、朝早く起きるの苦手かな?目覚ましを何個もかけていたりする?
 起きてもぼーっとしてエンジンがかからない?朝ごはんがたべられない?
 けど、夜になると調子が出てくる?

 立ちくらみやめまいを感じたことがある?体がゆれてるような感じを感じた事がある?
 立っていると気持ちが悪くなる?ひどいときは倒れたことがある?
 入浴後きもちが悪くなることがある?
 いやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる?
 少し動くと動悸や息切れがする?
 顔色が青白い?

 倦怠感がある?疲れやすい?食欲がない?強い腹痛を時々感じる?
 好き嫌いが多い?
 頭痛を感じることが多い?乗り物に酔いやすい?

 ため息をよくつく?

 精神的に不安定?いらいらしやすい?うつ?とりこし苦労をするほう?

 やせ型?なで肩?胃下垂ぎみ?
 実際の歳より若く見られる?(これが低血圧の唯一のメリットかも・・・)

 ☆  ☆  ☆

 もし、これらの質問にあてはまった答えが多かったキミ・・・、キミは「低血圧」の可能性がある。
 キミが女性なら、女性の方が多いってこと覚えておいて。

 血圧の最大値が100mmHg以下の場合をいう。
 もっとも、緊張しぃで白衣のお医者さんを見ると緊張してしまう場合、病院で血圧を測っても、緊張のせいで高血圧になり、正しい数値が測定できない場合がある。リラックスした状態で計る必要がある。

 キミはできれば、お医者さんに行って、低血圧の診断をもらったほうがいい。

 ただ、診断をもらえたとしても、心筋梗塞などと直結している高血圧と異なり、
「低血圧です。な〜にたいしたことないですよ。」なんて言われる可能性がある。お医者さんのなかでも、認識不足が多いんだそうだ。(本書の著者もお医者さん。どっちかというとお医者さん向けである)

 ま、高血圧は確かに心筋梗塞とか、すぐ死に直結する病気になりやすい。

 だけど、人生の半分近く(午前中)をぼーっと過ごして、生きてるといえる?低血圧だって重要な病気なんだ。
 生活の質(QOL)を高めるために、低血圧の治療は是非とも必要なんだ。

 それにもっと重大な病気につながる可能性がある。シャイ・ドレーガー症候群は難病指定を受けている病気だ。これのメインの症状が低血圧。これは初老の男性がかかりやすいそうだ。

 他にも低血圧が関係していると思われる病気がある。一応転記しておく。なお全部ではない。


 自律神経失調症過敏性腸症候群、慢性の頭痛、偏頭痛、慢性の肩こり、慢性の腰痛、非定型顔面痛、肋間神経痛、カウザルギー、帯状疱疹など遷延化するウィルス感染症、慢性風邪(空咳)目の周りのクマ、化粧のノリが悪い、冷え性、しもやけ、低体温、不明熱(FUO)、眼精疲労、慢性疲労性症候群、女性の月経痛、・不妊症、慢性口内炎膠原病、花粉症・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、脱毛症、神経性過食症歯周病脳梗塞、老人性痴呆、受験によわい、あがりやすい、対人恐怖、不登校、出社不可、テクノストレス症候群、うつ反応、など


 だから、できたら、低血圧に理解のあるお医者さんに出会うのがベストではある。「たいしたことないですよ」なんてゆーヤブは見捨てよう。

 わざわざ、医者に行くのもなぁ〜というキミ。そうだね〜。じゃ、この本にのってる対処法を案内する。


 そのまえに言いたいことがある。

 ☆  ☆  ☆

 キミは頑張った。偉いよ。

 健康な人より、キミは活動する力が少ないんだ。だから疲れやすい。

 普通の人と同じに学校や会社に行くだけでもいっぱいいっぱいなんだ。

 朝起きて、学校や会社にいくのがどれだけつらかったか・・・。力尽きて、学校や会社を休むこともあっただろう。それでも、そこまでは努力したんだ。

 ハタからとやかくいう人もいただろう。家族とかね。

 でも、キミはできるかぎりの努力をしたんだ。

 だから、がんばれなんて言われてもね・・意味ないね。

 キミを誇りに思うよ。キミもキミ自身をほめてあげて欲しい。
 
 そして、頑張れなかったのは、やる気がないからではない。むしろ、健康な人とのギャップを気力で補っていたんだ。

 キミは繊細でデリケートで本当に優しい人だ。その豊かな感受性を生かして創造的な人生を送って欲しい。キミ自身のため、そして社会のためでもある。

 そのためにも、この病気をきちんと認識して、治療しよう。現状を認識することが、なんといってもベストな出発点なのだから。

 ☆  ☆  ☆

 低血圧も高血圧と同じく、生活習慣病だ。生活習慣を変えることが重要な第一歩だ。

  1. 規則正しい生活。早寝早起き(ってそれができないんだってば!)
  2. 疲労をためない。早めに休息をとる。特に夏場は休む。休暇をとって、まとめて休むのも大切。
  3. 調子がいい時でも無理をしない。
  4. 日常生活の強すぎるストレスをなくし、リラックスする。具体的には、瞑想、座禅、音楽療法など
  5. 適度にスポーツ。
  6. 季節の移り変わりに注意し、早めに対処する。洋服やエアコンなど。
  7. 夏は涼しい湿気の少ないところに行く。但し、冷房の効きすぎに注意!
  8. 冬は暖かく。冷え性の人が多いため。
  9. 起きるときはゆっくりあわてないようにする。
  10. 高齢の人は杖を使う(転ばぬ先の杖!)
  11. 乾布摩擦や冷水摩擦をして皮膚を鍛える。皮膚には元気をつけ若さを維持するホルモンDHEA−Sというのが出てくるそうだが、低血圧の人はそれが足りないという。
  12. 朝起きたら、シャワー、入浴をする。体をあたためる。温泉(とくに炭酸泉がよい)も良い。
  13. 入浴後は冷水シャワーをしよう。今日は足先だけ、明日はひざまでとだんだん上げていく。
  14. ときには転地療法を。ゆったりしたリゾートでの旅にしよう。
  15. 身体を冷やさないようにあたたかいもの中心の食事にしよう。
  16. お酒は温めて。日本酒の熱燗やウィスキーのお湯割りなど。
  17. (高血圧の反対なので・・・)塩分多めで。漬物やキムチなど。たんぱく質・ミネラルの多い食事で。
  18. 食後はゆったりと。
  19. チェダーチーズをたべる。上に書いたシャイ・ドレーガー症候群の患者さんにイギリスの医学論文に書いてあったチェダーチーズの事を話して、毎日50g食べてもらったところ、歩行器を使わないと歩けなかった患者さんが、さっさと歩けるようになったそうだ!
  20. コエンザイムQ10の摂取。この先生によると、低血圧というのは、心臓の活動が充分ではない(だから速く流れない)ということですが、心臓を正常に動かすためには、十分な量のコエンザイムQ10が必要だそうです。低血圧の人は足りていないので、補うためにとる。食べ物では、牛肉・豚肉・鶏肉・ウナギ・イワシ・大豆・ニンニク・キャベツ・ナス・枝豆・ゴマなどに含まれている。少量だが・・・。
  21. お茶・コーヒー・紅茶を適度に。(過剰に飲むとカフェイン中毒になるおそれがある。)「とくに血圧の高い方は注意」って、ちょっとセンセイ、この本のタイトル覚えてる?かんべんしてくれ!
  22. 人生を楽しもう。・・・おぅ!!

以上が、生活習慣の改善。病院などのサイトで調べてみるのもいいかもしれない。

これを踏まえて、お薬も併用する場合は、お医者さんと相談してみよう。話の分かるお医者さんとね。


 それではまた。