裁判員制度について〜「裁判員制度がよ〜くわかる本(日本一わかりやすい裁判員制度入門)」
「開かれた裁判制度」研究会著 秀和システム
裁判員制度がいよいよ始まる。
重大犯罪について、一般市民が裁判官と協議して、判決を下す制度である。
市民の裁判参加には、アメリカとかイギリスで行われている陪審制と、ヨーロッパで行われている参審制がある。
陪審制は、一つの事件で、12人ぐらい集められて、有罪か無罪かを決める。有罪の場合、どれくらいの量刑になるかは、裁判官が決める。
参審制は、任期が長い。1年になることもある。これは一定の資格を持つ市民から選ばれて、有罪か無罪かはもちろん、量刑も裁判官と対等に議論して決める。
裁判員制度というのは、この二つをミックスしてできたものらしい。1つの事件限りではあるが、有罪か無罪かはもちろん、量刑も決める。立場も裁判官と対等である。
実をいうと、虫は、裁判員になったことがある。
(・・・って、まだ始まってないじゃん!)と思ったアナタ。その通り。模擬裁判である。
でも、東京地方裁判所で行われ、実際の裁判そっくりに行われたので、ある意味体験したといってもいいすぎではないと思う。
さきおととしのこと、図書館で裁判官の方が、裁判員制度について講演をされていた。帰りに、裁判員になってもいいリストに名前を書いておいたのである。面白そうと思って・・・。
そんなことすっかり忘れていた、おととしの春先に裁判所から電話があった。やさしそうな女性の方で裁判員になってみないかという。たしか、7月はじめの2,3日だという。OKした。
普通は裁判官の人しか入れない見晴らしのいい部屋でお弁当を食べたり、だだっぴろい裁判所の廊下を見て、「あれ事務用の椅子で、ザーッと走ったら気持ちいいよね」と別の裁判員のおばさんとジョークを飛ばしたり、面白かった。
ことに、一段上のところから眺める法廷(満杯だった)は最高である。なかなか、あの位置からは見られないと思う。
担当した事件はタクシー強盗で、運転手の人が死んでしまった事件だった。議論も面白かったし、3人いた裁判官の人がみんな親切で(1人、女性もいた)、わかりやすく問題となる点を指摘してくれる。
犯人は、ギターをやっていた若い男性で、ギターケースを持ったまま強盗をしていた。
(んなヤツいんのかよ)と思っていたところ、模擬裁判後の裁判所の地下の食堂で行われた懇親会で、犯人役の弁護士さん(一般人役はすべて弁護士さん)が、実際にあった事件を下敷きにしたと教えてくれた。
そりゃ、つかまるって。ギターケースかかえて逃げてちゃね!
お借入ればかりでなく、犯罪も計画的に。
しないとつかまって、刑務所行きだよ。