「フィガロの結婚」を読みました。
モーツァルトや、ロッシーニによってオペラ化されたやつである。
ここが、多分メロディを聞けば誰でも聞いたことがある、「恋とはどんなものかしら」のアリアになるんだ。とか「もう、とぶまいぞ、この蝶々」(お正月によくやるNHKのオペラ特番でやっていた)になるフレーズか・・・という楽しみ方もできる。
虫はロッシーニの「セビリアの理髪師」は、聞いてないのでわからないが、モーツァルトの「フィガロの結婚」は大好きで、「恋とはどんなものかしら」とか、好きな曲がいっぱいある。
高校のころ、岩波文庫で(図書館で)読み、めっちゃ笑えたので、やっぱり、買おうと思って本屋を探して歩いたが・・・ない。相当ながく捜してたんだけどね。
この本は紀伊国屋でやっと見つけて、買ったが、絶版本なんで、相当高かった・・・。文庫なんだけどね。
読んでみると、昔読んだのより、さらに古い訳で、漢字も旧字体、話す言葉は、昭和の初期・・・、読めるし、意味はわかるけど、ちょっと入りこめない。
女の子に話すのに、「無類だ!可愛いやつめ!」と言うのは、なんか自然な感じがしない。こういう通俗的な小説だから特にそうなのかもしれないけど。
だから、昔ほどは笑えなかった気がする。虫の昔読んだ、新訳版(こちらも絶版)を復活させてくれ!岩波さん!!
最初の、伯爵夫人の部屋に入ったシェリューバン(オペラではケルヴィーノって名前だったと思う)という小姓をめぐるドタバタ劇が、昔より笑えなかった・・・。
もっとも、後半のシュザンヌ(=スザンヌ、フィガロのいいなずけ)と伯爵夫人の入れ替えをめぐるヤツは楽しい。
後半のフィガロの生い立ちを独白する部分は、かなり、重い。「今は理髪師なんかやってるけど、2回ぐらい新聞やらを立ち上げて、舌禍により、発禁処分をくらい、表現の自由なんてまやかしじゃねーか。」という部分があるのだ。(オペラ版ではないと思う。ま、本筋に関係ないしね)
回教徒について書いたら、回教徒に締め上げられた・・・みたいな記事がある。もしかして、これを読んでモーツァルトは、この後の「後宮からの逃走」とか作ったのかな?
もっとも、フィガロは大好き!こういう、おしゃべりで、機転がきき、智謀と策略にたけているが、心のまっすぐなキャラは、大好きである。ネロ・ウルフ シリーズのアーチー・グッドウィン、クール&ラムのドナルド・ラムに通じるものがあると思う。