『人に振り回されずに生きる13の法則(新・自己中心主義のすすめ)』を読みました。

    ヨーゼフ・キルシュナー著 畔上司訳   主婦の友社

  何か人生でやりたいことがあるだろうか。目標が?

 虫にもある。

 どうしてできないかおわかりか?

 虫もそうだけど、まわりの人に振り回されてしまうのだ。家族、学校や会社であう人達、友人、その他もろもろである。

 ついつい、相手の期待に応えようなどと思っている。いや、特に意識せずにね。女性は特にこの傾向が強い。
 
 人が二人以上集まればそれは、「社会」だし、いろんな方法で人をあやつろうとするのがヒト科の生き物の常なのだ。

 あら捜しをして、自分が他人より偉いように見せかけたり、弱点を捜して、そこをつつく。例えば、プライドや男らしさに価値を置いていると認めると妻にこう言われたりする。

「あなたって意気地なしね。いい加減、勇気を出して、〜〜しなさいよ。」

 ここで〜〜したり(妻の勝ち)、〜〜しなくたって、意気地がない訳ではないよなどと反論するのは、賢いやり方ではない。ある意味あやつられているのだから。

明るく「じゃあ、意気地なしでいいよ。」これが正解である。

 そして、(妻が何と思おうが知ったことではない。)と本当に思うのだ。

 武芸の達人は、喧嘩を売られたり、切りかかられても、相手にしない。さっと払って終わりである。昔、桂小五郎は、相当な剣の腕前の持ち主であったが、逃げ足の速さで有名だった。ヤバそうだな・・・と思うと、ピュッと逃げるのである。無駄な戦いはしないのも、心得の一つであった。

 ところが、現代の家族や学校や会社に場所を移し、剣はもうないが、精神的な部分に置き換えるとどうだろう。家族や友人、先生、上司や同僚の見えないプレッシャーにいちいち真剣に勝負を受けてしまい、疲れがたまってしまうケースはけっこう多いのではないだろうか。

 真剣勝負というのは、文字通り、本当の剣でやる重要な勝負なのだから、毎日あるはずはない。周りの連中は勝手にほざいているだけであって、その期待に応える義務は全くないのである。会う人全部にいい印象を与えようと一生懸命になれば、疲れるのは当たり前である。

 そうやって、言葉の剣で、切りかかってくる雑魚をよけ、ヒュッと払う術を伝授するのがこの本である。

 自分を信じ、自分の価値観によって行動する。「自分を持つこと。」

 これができないと目標達成も難しい。流されてしまうからだ。

 ヒントとしては、深呼吸である。3回大きくお腹から深呼吸をする。空の大きさを考えるのもよい。

 そして、自分が設定した戦場で、自分の戦い(真剣勝負)をするのである。あとの戦いはしなくてよい。ピュっと逃げる。まるきり相手にしないのである。(「ははは、そうですね〜」)

 そうしていると、相手も、相手にされていないことが分かり、(剣がスカッと空を切る)もっと手ごたえのある相手を探しにいくはずである。

 そして、世間でいきわたっている「常識」や「ルール」は、単に権力者に都合のいいものや合理的でないものもたくさん含まれている。そういったものは一度疑ってみて、自分の頭で判断することである。