「合格したけりゃ、勉強するな!」をあらためて読みました。

  副題(時間かけず、苦しまず、らくらく越える受験の壁)
  チョ・スンヨン著 姜 順子 訳    講談社

 勉強法に関する本は、たくさんあるけど、虫としては潤・のおススメ!!ただ残念なことに、本屋ではなかなか見ない。(この本も予約してやっと入手)こんないい本が・・・絶版?情けない〜。韓国ではベストセラーなのに。
 ただ、この邦題・・・コレは誤解を招くでしょ。勉強するななんて書いてないよ!これつけたのって、たぶん、講談社のバカ編集者だと思うけど、こーんな感じの「・・・したけりゃ、ーーするな!」というハウツー本が流行ってるからあやかっただけじゃん!みえみえだよ!
 原語(英語で書かれた)“The Art of Study”つまり、“勉強の技術”の方が、内容を簡潔に表わしていて、GOOD。

 著者は韓国人で、アメリカの難関大学ニューヨーク大学ビジネススクールに通う、現役の大学生。しかも、ジュリアード音楽院にも合格し、両方に同時に通っている。そして両方ともで、成績はトップクラスである。
  そんな著者も高校2年までは、集中力に欠け、成績も平均点以下の平凡な生徒だった。高校のときに取得したコツによって、現在の姿に至ったのである。そのコツを一般公開するありがた〜〜い本である。韓国でベストセラーなのもムリはない。韓国の受験戦争は日本以上らしいから。

 ・どうすれば、より短時間で、よりよい成績が残せるか?を研究し、製品の効率的な製造のための生産ラインがああるように、勉強にも効率的な成果をあげるための〈勉強のライン〉があることを発見したそうである。すばらしい!試験勉強なんて、もともと、目的のため(いい成績→いい学校→いい会社→お金)の手段にすぎない。短時間でこなして、余暇は自分の好きなこと、ピアノとか読書とかをしたほうが、どれだけいいことか!

・・・というわけで秘訣を大公開!

  • 「学校」というのは、市民を養成するところで、テストの答えほ、真理などではない。だから、学校が何を教えたがっているか「正解」を把握して、解答用紙にはそう書く。
  • 勉強はもともと、上流階級にだけ許された贅沢なレジャーだった。勉強を楽しみと考える。
  • 自分の好きなスタイルで勉強する。自分の興味がわく方法で勉強してこそ成果があがる。楽な格好で・・・ガムをかみながら(ものを噛む運動が記憶力を高める点は科学的に証明済み)例えば歴史だったら、歴史上の面白いエピソードを友達に話す。他にも、マンガや面白い図、新聞、雑誌、テレビを活用する。
  • 集中できる時間には限界があるから、20分ごとに科目を変える。苦手な1科目だけに執拗に取り組み、いたづらに勉強時間を浪費するのはよくない。高得点をあげるにはいろいろな科目を少しずつ勉強して限られた時間を有効に使わなくてはならない。集中力を切らさないため、50分ごとに10分休みをとるなどして脳を緊張から解放しなくてはならない。

 筆者の経験では、20分ごとに科目をかえるのがよい。しかもできれば、脳の違う部分を使う科目にかえるのがよい。数学のつぎは国語といった具合。筆者は理系科目の勉強のとき、ピアノを弾いたり、小説を読む。また、外国語は、フランス語とドイツ語のテープを買い、3回ずつ交互に聞いて身につけた。

  • 「芸術と学問にはアイディアが大切なんだ。事前に構想を練れば練るほど、よい絵が生まれるんだよ。」というJ・ポロック(画家)の言葉にあるように、勉強の構想を練り、勉強の設計図をつくる。勉強の技術でもっとも重要なポイントは、勉強の方向、つまり設計である。

 何をどのように勉強するのか、事前にきちんと構想する。やみくもな勉強は挫折のもと!
 事前に勉強の方向性を決めて、それを効率よく習得するための学習プランを立てて、毎日すこしづつ、確実に消化することが大切。
 例えば、大学受験を志す場合、
  1 何を学ばねばならないか
  2 ほしい情報をどこで入手するか
  3 さがしあてた情報をどうやって記憶するか。
 という質問を自分に投げかけ、優先順位と方法を明確にした設計図をつくる。
 参考書や問題集はあくまでも補助的資料としてつかう。勉強の方法は千差万別。万人向けの参考書に頼るのはナンセンスだし、問題集はどれも同じような問題なので、何冊制覇しようと時間の無駄。
 【設計図の参考例】
 ■目標:大学受験
 ■補充しなければならないこと。
  1、語彙
    ○大学入試に必要な英語および各科目の専門用語をピックアップし、一日25単語ずつ暗記。
    ○難易度別に5冊の本を選び、2ヶ月で読破。その中で理解できなかった単語のチェック。

 設計図に沿って、教科書、ノートをざっと見直す。ざっとみなおすのは、脳は新しい情報につよく反応するから、覚えた内容ではなく、見落とした新しい情報を記憶しようとするから。

 筆者の経験では、こういった設計図をつくると、つくらなかった場合より10分の一まで効率化することができる。

  • 自分の望む将来像を目標として定め、それを実現するための計画をたてる。その目標によって、勉強の方向性、方法も変える。楽しい目標があれば、プレッシャーや負担に感じることなく、自発的に勉強できる。

 例えば、世界を舞台に活動したい→そのために数ヶ国語をマスターする。

  • すべての勉強の答えは人生のなかにあり、勉強とは、ある現象を目前にして、「なぜ」と問いかけ、その答えを探し出すプロセスである。

 学問は全くちがう科目であっても、実際には相互に密接な関連を持つ。
 例えば、音楽の才能は学校の成績と関係があり、音楽を学ぶ学生のグループは、そうでない学生のグループより成績がよいという調査結果がある。

>>中世ヨーロッパでは、音楽は数学の一部だった。作曲にほ数学的技法が欠かせない。メロディーは音符によって表現され、その音符は数字によって書き表される。つまり、音楽表現に数学は欠かせない素養なのだ。
 また、作曲家は、音符を上手に使って感情や情景を表現する。それは単語を組み合わせて人間の意志や感情を表現する言語の仕組みととてもよく似ている。音符を読み取る訓練は、さまざまな言語をマスターする力も向上させるのだ。<<

 不得意な科目も、得意な科目との関連を意識する。少ない努力で同時にレベルアップをはかる相乗効果が得られる。勉強以外にも、インターネットや車、なんでも幅広い知識は相乗効果をもたらす。

 このように、いろいろなことに好奇心を働かせよう!「なぜ」そうなのか、常に疑問をもつ心を大切にしよう。

・・・以上が秘訣である。

 PART?でいくつか戦略をあかしているので、これも簡単に。
 (1) 参考書はいらない。ノートもバカ丁寧にとらない。教科書にかいてあることをもいちどかいたりしない。授業に集中したいときは、ノートをとらないようにする。とる場合もちいさなメモ程度、わからないことや教科書に載っていないこと、授業中にひらめいたアイディアなどを文章にする必要はなく、単語やイラストにする。
 (2) テスト前は教科書に集中する。特に教科書の、<定義>、<図表>、<例>に注目。
 (3) 全科目を好きな科目に変えてしまう。秘訣?の関連性を参考に。
 (4) 専門用語をマスターする。専門用語は概念を迅速かつ正確に表現するためには欠かせない。自分なりの言葉に置き換え、慣れる。本屋で専門誌を買う。専門用語を使って作文を書く。

 これらのコツを使って、学校とか資格とかの勉強をらくらくこなし、優雅な生活を送ろう!!!