「スウ姉さん」を久しぶりに読みました。

エレナ・ポーター著 村岡花子訳 角川文庫



少女パレアナ(虫はこの訳がいいと思うが、ポリアンナとするのもある)とかパレアナの青春など、今や楽観主義の代名詞ともいえるパレアナシリーズの著者による別の小説。
 アメリカに限らず、スウ姉さんはどこにでもいる。家庭の雑用に追われ、本来したかったことができない女性たちである。忍の一字で、日々を耐え忍んできた女性達である。
 家政・・・家事は、本当に際限がない。そして、洗濯や掃除が機械化されると主婦は暇になる・・・と考えられたが、そうでもない。家政の一番大切な部分・・・家族が心地よくしているか、勉強などに集中できるかといった思いやりの部分は機械化できない。
 一般論として、女性の自己実現やら、社会参加に賛成を主張し、それどころか、〈そうすべき〉理由について延々と述べる男性はたくさんいる。しかし、こと《自分》に火の粉がかかりそうになると、うってかわって、《(他の女性はともかく)きみには、無理だよ》とか、《掃除やメシはどうするんだ?》などと言い出す男性もこれまた多い。ま、そう言い出さない男性が、本当の女性解放論者だろう。
 特に年配の女性は、そういった自己犠牲を当然と考える人も多い。
 とはいえ、現代の若い女性たちも、家事をするわけではないが、必要以上に男性に隷属的になるなど、違った形ではあるが、《自分を解放》していない場合もある。
 ★女性の解放★は古くて、新しい話なのだ。