“Good Luck”を読みました。

  アレックス・ロビラ フェルナンド・トリアス・デ・ベス 著  田内志文 訳 株式会社ポプラ社


 運と幸運の違いをおとぎ話風に解説してくれる本。

 そんなのカンタンだよ。幸運というのは「幸せな」運だろ?

 って思ったあなた。

 違います!

 虫もこの本を読むまでは、そう思っていました。

 っていうか、この本でいう「幸運」(Good Luck)って普通でいうのと違うような気がする。

 それでは、ご紹介しましょう!
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 このお話では2人の騎士が、魔法使いマーリンに導かれて、幸せをもたらすと言われている魔法の四つ葉のクローバーを捜しに行きます。(まず、自分で捜しに行くこと!これが重要。無理難題と思って帰ってしまった他の騎士たちは、運にも幸運にも縁のない方々です。)
 マーリンは、「魅惑の森に、今から7日目の朝にその魔法のクローバーは生えるという」と言います。アーサー王伝説にも出てくる、有名な魔法使いですから、この人が間違うわけありません。

 さて、森に着いた二人の騎士は、それぞれ、クローバーを探して、?ノーム(大地の王子・・妖精です)、?湖の女王、?木々の女王、セコイヤ、?すべての石の母、ストンに助言を求めます。そして、二人とも、同じ答えを与えられます。・・・「魅惑の森には、魔法のクローバーは生えない。」と。

 サー・ノットの方は、この助言を聞き、ショックを受けます。(マーリンの言葉と違う〜〜・・・でもそんなはずがない。別な人(?)に聞いてみよう)と思います。まぁ楽天的っちゃそういえます。

 サー・シドも全く同じ答えを与えられるのですが、この人はこう思います。(一見矛盾しているようだが、マーリンも、森の様々な精たちも、騙したってトクするわけではない。この矛盾を解くのが鍵だな。)と。
 そして、いつも、「魅惑の森には、魔法のクローバーは生えない。」という答えを聞いたあと、その理由を尋ねます。「どうして、生えないのか。」この質問も大切ですね。より深い理解のためには質問は欠かせないといえましょう。
 すると、その理由をそれぞれ教えてくれるのです。やはり丁寧な態度で聞くのが大切なんでしょうね。
 ?ノームは土のせい、?湖の女王は水流がないから、?セコイヤは木々がうっそうとしすぎていて、日向がないから、?ストンは土のなかに石ころがまじっているとダメと。

 サーシドはこれを聞いて、その生えない理由をつぶすため、下準備をします。
 ?のために肥沃なところ(これもノームに聞いた)から、袋一杯(2杯かな)の土を持ってきて、適当なところに敷きます。?湖から水流をそこまでひきます(これで湖の女王も大助かりです)。?周囲の木々から、剣で枯れ枝などを切り落とし、適切な日向を作ります。?土をすき返して、小さい石を取り出します。

 そして、、一日、下準備を行ったあと、クローバーが生えてくる図のイメージトレーニングを欠かしません。

 そうそうマーリンの予言した7日目の朝、運と運命の神、ウインドのまんべんなく撒き散らした種(目に見えない)により魔法のクローバーが生えてくるのです。場所はどこでもよかったんですね。ただ、下準備さえすれば。

 サー・ノックスの方は、悪い魔女;モルガナに騙されて、マーリンに文句をつけ、殺そうとします。
 「テメー、生えないじゃんかよ」みたいなね。

 マーリンは危険を察知して、いちゃもんを防ぎ、後から到着した、サー・シドのクローバーを示します。サー・ノックスは、恥ずかしくって、自分の城に戻っちゃいました。

 サー・シドは幸せになり、このクローバーを伝える旅にでたそうです。

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 自分も幸運を追求してると思いきや、運を求めてた気がします。ま、幸運というよりかは、幸福の追求だと思うけど。本当に、下準備というのは、大切なのですね。

 マーリンは7日目に「生える」と言ってるわけで、今まで生えたとか言っていないんですね。なので、正確には矛盾ではないんですね。これを矛盾と考えたノックスは不正確の罪をおかしてしまっているわけです。

 また、ノックスの助言への反応は、依頼心が強すぎると思います。相手の言うことを完璧にきけば、間違いないという助言を求めすぎです。

  これは、いい本だと思います。